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闘魂 サバイバル生活者のブログ

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陰謀論に挑戦しよう!

陰謀論に挑戦しよう!


雪斎の随想録というブログの「「陰謀論」の錯誤」という記事とbewaad institute@kasumigasekiというブログの「外国の陰謀論と想像力の欠如」という記事に長大なコメントが付いている。取捨選択して記録しておく。

まずは、雪斎の随想録の本文より。


…最近の日本政治でも、こういう「陰謀論」が示される、曰く、「小泉純一郎の郵政民営化は、日本の資産を外資に譲り渡そうとしたものだ」。「小泉は、安倍晋三の擡頭を抑えようとして、解散・総選挙に打って出た」。こういう具合である。

ところで、何故、こうした「陰謀論」が蔓延るのであろうか。それは、単に「判りやすい」からである。特に「陰謀論」に走る知識人に特徴的なのは、「自分こそが事の真相を知っている」という姿勢で物事を語ることである。人間の世界は複雑なものであるけれども、その複雑な世界の様相は、「陰謀論」に走れば一挙に簡単に説明できることがある。第一次世界大戦後のドイツでは、「ドイツの苦境の理由はユダヤ人の陰謀によるものだ」という雰囲気が、ナチスを培養した。そして、そうした「解」を見つけたという想いは、少なくない知識人には途方もない快感を与えるものなのである。

しかしながら、凡そ政治を語る際の準則は、「『結果』から『意図』を逆算することはできない」ということである。
 
マックス・ウェーバーの著書『職業としての政治』には、次のような記述がある。

「善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれる」という心情倫理家の議論は、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であり、これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である」。マックス・ウェーバーの議論の本質は、「人間の世界では『意図』と『結果』は乖離する」ということである。従って、現実にある「結果」が何らかの「意図」によるものだと直接に断ずることは、できないのである。

 雪斎は、政治評論の真贋を見極める最も手っ取り早く、かつ確実な方法は、その評論がそうした「陰謀論」の傾きから免れているかどうかを判断することだと思っている。そうした「陰謀論」の色彩を持つ政治評論などは、ウェーバーの言葉を借りれば、「政治のイロハもわきまえない未熟児」の議論と呼んで差し支えない。この種の政治評論は、「話半分に聞いて済ませればよい」代物なのである。

 こうした「陰謀論」は、昔日は進歩・左翼系知識人の専売特許であった。曰く、「世界平和の実現を阻んでいるのは、武器で儲ける軍需産業が強い影響力を持っているからである」。「ジョージ・ブッシュは、石油業界の意を酌んで、石油利権確保のためにイラクに攻め込んだ」。万事、この調子である。そして、今や、保守・右翼系知識人の中にも、「陰謀論」に走る御仁がいる。曰く、前にも紹介したように、「小泉の郵政民営化は、日本の資産を外資に譲り渡そうとしたものだ」。「小泉は、安倍晋三の擡頭を抑えようとして、解散・総選挙に打って出た」。よくもまあ、これだけ想像力をたくましくできるものである。雪斎は、拙ブログでの「遊び」ならばともかくとして、実際に原稿料が支払われる活字メディアでは、このような憶測と思い込みだけの文章を書く気にはならない

この書き手は書生のような青さだ。したがって、論旨は明快である。陰謀論は切って捨てるべしという訳だ。しかし、この書生、総論しか述べていない。総論に異論を挟むものはないと思う。問題は各論なのだ。もしかするとこの書生、各論に接したことがないのかも知れない。信用創造の不思議、FRBの歴史とドルを刷ると英国資本が潤う仕組み、現在の米国のM3の統計…。昔から言われることだが、メディアが銀行とスポンサー批判は行わない。しかし、それ以外に米国(CIA)の国益(省益)に反する事実を報道しない現実をどう説明するのか。ちょっと意地悪をして、この書生が無意識の内にジャパン・ハンドとして、振舞っている状況をじっくり観察して見るのもいいかも知れない。奴隷貿易の際に仲間を売り渡す賢い奴隷商を欧米が活用したことを想起せよ。残念ながら、この書生は、賢い奴隷商のような役回りを演じることになるかも知れないと憂慮する。 

以下、この本文に対するコメント。取捨選択した。

Posted by: るびい | November 14, 2005 at 07:09 AM
私も「ありうるなぁ」と読んでしまいました。そして、だったら次に騰がる(下がる)株は何だろうと勝手に想像してました。
郵政民営化はユダヤに金をくれてやるためってのは、ほとんど妄想と思ってましたが、新生銀行のケースを見ると・・んーー、やっぱりそうか??とフラフラになっちゃいます。やっぱり未熟者ですね・・・

Posted by: 飯研住人 | November 15, 2005 at 03:17 AM
森ビル株式会社は六本木ヒルズを開発・建設する為に、20年以上前から同地域に空家が出ると社員にそこへ引越しをさせ続け、社員には身分を伏せさせて、地域住民と交流を深めさせ、最終的な地上げで反対運動を起こされないように工作活動を行いました。

与太話のような実話です。

陰謀論で括るのは簡単ですが、想像を超えるような事実も世の中にはあると言う認識が無いと、自分の思考の限界が世界の全てになっている事に気づかなくなります。

Posted by: リジー | November 18, 2005 at 07:01 PM
>通りすがりさま、

ここで雪斎さまが取り上げていらっしゃる陰謀論とは、自分の想像力の範囲内で「結果」から「意図」を逆算するというものですから、たぶんあなたがお考えの「陰謀論」とは少し切り口が違うのではと思いますよ。

例えば「マスメディアには出てこない裏の人脈が日本社会に大きな影響を与えている」というようなことはあなたがお使いの意味での「陰謀論」に入るのかと思いますが、雪斎さまはリンク先のblogのコメント欄でこの種の認識を示されています。

Posted by: 雪斎 | November 20, 2005 at 01:43 AM
もちろんわたしだって、フリーメーソンが世界を支配しており、あまたの大事件の陰にいる、という説にはちょっと眉唾なほうです。

探偵小説を読むようなわくわくを覚えるけど、じゃあほんとうに「フリーメーソン」のような存在を信じているかというとUFO並みの疑わしさとしかいえない。

【突然ですが記事引用】(朝日新聞)「秘密結社」フリーメイソン日本本部50年 一般入会も 2008年01月04日06時08分  

 世界史の裏舞台の立役者として語られることもある「フリーメイソン」が、日本本部を東京につくって50年。日本の会員数は現在約2千人と言われる。秘密結社を描いた映画「ダ・ヴィンチ・コード」のヒットなどで入会希望者が増え、最近は一般向けの入会相談も受けるようになっている。

 東京タワーの足元。緑に囲まれる反射ガラスの建物、フリーメイソン日本グランド・ロッジ(本部)を訪れた。広報担当の渡辺一弘さん(75)と北村安忠さん(82)が出迎えてくれた。  地下に、青と白で統一された部屋があった。儀式や集会を開くホール。中心に台座があり、まわりに3本の棒が立つ。円天井には星座のような明かり。入り口には、2メートルほどの高さに地球儀と天球儀が掲げられている。  「いずれも儀式で使うものです」と渡辺さんが言うが、どういう儀式なのかは教えてくれない。  「儀式は寓話(ぐうわ)の形をとっていて、それをいくつも覚えていくことで人間形成をする」という。

 渡辺さんが会員になったのは75年だ。友人の夕食会に何度か招かれ、次第にフリーメイソンの集まりだと知るようになった。「縁のなかった人たちと知り合い、人間の幅を広げられた」。「海外で人に会ったとき、握手の仕方や独特の言い回しで会員だと分かり、すぐうち解けたこともある」  日本には米軍基地のある都市を中心に17、18カ所のロッジ(集会所)がある。日本の会員約2千人のうち9割近くが米軍関係者で、日本人は約300人ほど。そば屋の主人、大学教授、小売店主など職業は様々という。

 日本にフリーメイソンが入ってきたのは18世紀後半と言われる。鎖国中に交易のあった東インド会社のオランダ商人が最初の会員だった。19世紀半ば、海外にいた日本人も会員になった。学者の西周(にし・あまね)はオランダで入会した記録がある。  戦時中、全国のロッジは閉鎖されたが、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の駐留とともに復活。57年3月、現在の場所に本部が作られた。GHQ幹部や米軍関係者との接点を求めた政治家や財界関係者が次々と会員になった。鳩山一郎元首相もその一人だ。70年代には会員は5千人規模に膨らむ。しかし以後は下降線をたどった。

 状況が変わったのは06年。「ダ・ヴィンチ・コード」のヒットで「入会したい」という問い合わせが相次ぎ、1年ほど前から月1回、入会相談会を開くようになった。しかし、「人脈作りを期待したり、秘密結社という想像を膨らませたりして入って、期待と違うとやめていく人が多い」と渡辺さん。会員数は現在、横ばい状態だという。  《フリーメイソン》 世界最大・最古の「友愛団体」をうたう。

 20歳以上の成年男子で、何らかの信仰を持っていることなどが入会条件。会員2人の推薦と、3人の面接を経て入会が認められると、1時間半ほどの儀式を行う。  日本グランド・ロッジによると、中世のイギリスで宮殿などの建造のために集められた石工職人の組合が起源という。設計や建築技術を伝え、各地を歩く職人を見分けるために、秘密の認識方法が生まれた。コンパスと定規の印がその時代の名残という。現在、世界に数百万人の会員がいるとされる。 【引用終了】



ただ、「陰謀論」を否定する人たちに共通するのは、陰謀的なニュアンスのすべての事象を頭から否定する傾向だ。これがいかにも「陰謀論」者的なのですね。(笑)

つまり「陰謀論」者もそれを否定する「反陰謀論」者も、ともに単純すぎるきらいがある。

どちらも「陰謀」という言葉にとらわれすぎているのじゃないかな。
陰謀というのは、つまりは「裏工作」のことであり、政治の世界ではあたりまえに行われていることなんですがねえ。

政治、とくに外交とは、裏工作の由です。
陰で謀議を重ねてなんらかの政治的意図を現実にする。これ、「陰謀」以外の何物でもありません。

戦後の米国が日本に行った裏工作の数々をみればよくわかる。
たとえば終戦直後に突然、日本人のほとんどが口にするようになったのが
「白米は頭に悪い」
という意見。そういう見識が突如、世間に蔓延した。
現在では裏工作=陰謀があったということでよく知られている。
これは、米国政府が、米国で在庫過剰になった小麦粉を日本に売却するために
「白米は頭を悪くする」というマスコミ・キャンペーンを学者を使って行わせたのが原因なんですね。
また、パン食を宣伝するためにキャンペーンカーが全国の田舎を回ってパン食の無料試食会を開いた。それから米国は小学校の給食にパンを持ち込んだ。
当時は「陰謀」だったのですが、数十年たったいま、NHKのドキュメンタリーが真実を明らかにするまでになった。

「陰謀否定論」者のおかしなところは、それがフリーメーソンの陰謀論と同じく、あまりにも単純、単細胞なことにある。
さらには、陰謀論の範囲を拡張して、小泉の郵政民営化が米国の金融資本を利するという説まで「陰謀論」だと断じて否定するという味噌も糞ものやり方も「陰謀論」者と似ている。

つまるところあまりにも単純すぎる「陰謀論」も「陰謀否定論」も、現実に裏工作をして国民を煽動する権力体制を利することになるでしょう。

こういう連中はセットで否定するべきです。


Posted by: 門前の小僧 | February 05, 2007 at 10:18 AM
911のテロ捏造という陰謀はどうですか?

3分ビデオ見ましたがが私は陰謀と思います。
http://www.teamrenzan.com/archives/writer/nishida/post_190.html
ベンジャミン・フルフォードが熱弁中です。

皆さんの感想が欲しい。(私の目と頭がおかしいのかどうかのチェックの為)

ここからbewaad institute@kasumigasekiというブログの本文とそれに対するコメント。こちらも取捨選択した。

…政府与党がアメリカの走狗と化して日本の財産をアメリカに売り渡しているという陰謀論とが、同一人に同居する姿が少なからず見られます。かつての枠組みに親しんでいる者からすれば理解に苦しむのかもしれませんが、いずれも、自らと立場と異にする者をなるべく遠い存在として認識したいとしている部分においては同じ話です。

いずれも「売国奴」という名称を冠される点に着目すれば、その類似性は容易にご理解いただけるのではないでしょうか。

客観的にどうであるかはさておき、主観的にはいずれの論者も、そこに国家をどの程度の重さで位置づけるかはさておき、皆が住むこの社会のためになると信じてそれぞれの論を主張しているのだと仮定して捉えてみることが、こうした陰謀論に惑わされないための最初の一歩となるのでしょう‐陰謀論を受け容れてしまえば、そうしたつらい知的作業をまぬかれることができるわけですから、そうした低コストな手段を選ぶ者が多数派であるのは世の習いに他なりませんが。その次には、ではどのように議論をかみ合わせ、お互いが許容可能な一致点を見出すか、というさらに困難な作業が待ち受けているわけで(少なくとも、現実を動かそうとするならば)、そこに至るのはさらに少数派とならざるを得ないのですけれども…

PK Says:
6月 3rd, 2007 at 11:45:01

陰謀論が陰謀論と呼ばれているところが日本的だな。
いわゆる陰謀は、ごく普通に行われている。
官僚がこの程度だから、日本が翻弄され、庶民が危機感を覚えるようになる。
庶民が想像力の欠如なら、官僚は分析力と構築力と批判力の欠如だな

雪斎 Says:
6月 3rd, 2007 at 21:18:11

陰簿論というのは、要するに、二つの要素から成り立っています。
 1、「結果」から「意図」を逆算できるという想定
 2、その「意図」を何か一つのことに還元できるというという想定
 いわゆる「ユダヤ陰謀論」というのも、「現在、このような『結果』になっているのは、ユダヤ人という一つの人間集団の『意図』によるものである」という論理構成に基づくものです。この点でいえば、米国の「年次改革要望書」なるものも、米国における数ある対日「意図」の一つでしかない。その「意図」の一つでしかないものに沿って、物事が動き然るべき「結果」が生じるという想定によるものです。

 色々な勢力が何らかの「意図」を以って何らかの「結果」を得るべく暗躍するのは、当然のことでしょうけれども、その一つの「意図」が現実に招来された「結果」をもたらし得るという想定は、人間生活の現実からすれば、誠にナイ―ヴなものでしかない。人間は、そういう「全知全能」の存在なのでしょうか。
 マックス・ウェーバー流にいえば、「善からは善のみが、悪からは悪のみが生じるわけではない」のだし、「意図と結果は乖離する」ことを心得ない議論は、「政治のイロハも心得ない未熟児」のものだことになります。だから、政治評論の真贋を見極める指標は、それが「陰謀論」の傾きからどれだけ免れているかということであろうと思われます。
 因みに、ウィンストン・チャーチルが、大英帝国を崩壊させるために米国から送り込まれた「間諜」であったという話をご存知ですか。考えてみれば、ヒトラーが欧州を席巻したときでも、そのままにしておけば独ソ戦の展開でドイツとソ連が共倒れするのを待てたはずです。ドイツのポーランド侵攻時点で、わざわざドイツに宣戦布告して正面衝突したのは、大英帝国の限られた国富を浪費することに結び付いたという点で、馬鹿なことでした。何故、チャーチルは、そういうことをしたのでしょう。そういえば、チャーチルの母親は、米国人だったような…。
  …というのは嘘です。
 ただし、「陰謀論」の観点からすれば、こういう噺は幾らでも捏造できます。「陰謀論」などというものは、その程度ものだと思ったほうがいいと思われます。

この書生は、粗悪な陰謀論を相手にしている。レベルが低すぎる。このように簡単に割り切って、切って捨てられるものばかりではないのだなぁ。現実の陰謀論は。だからみんな頭を悩ませているんだ。理性ある合理主義的な日本人は。はっきり言って、勉強不足。もっと好奇心をもって現実を見渡すべき。副島隆彦あたりから、挑戦してみては如何でしょうか。いきなり、ユスタス・マリンズに行けとはいいませんので。不労所得をめぐって、キリスト教(カトリック)やイスラム教が堅持していたスタンスを確認すること。ユダヤ教がどういう場合に不労所得を認めているかを確認すること。キリスト教がいかに政治権力を取り込んでいったか(取り込まれていったか)、金融資本がいかに政治権力を取り込んで言ったか(取り込まれていったか)を確認すること。近代以降、帝国主義の時代を含め、金融資本と武器商人、そしてマフィアがどうやって歴史に関与して来たかを確認すること。すくなくともこれぐらいは勉強した上で、陰謀論を云々するのなら、青臭いとは非難しませんが、陰謀論に関する総論(一般論)を狂信的に信奉しているようなので、完全なマインドコントロール状態だなと悲しい気持ちになります。

西麻布夢彦 Says:
6月 3rd, 2007 at 22:23:10
>皆が住むこの社会のためになると信じてそれぞれの論を主張しているのだと仮定して捉えてみる

いや、むしろ「皆が”自分自身の利益”を最大限にするために、それぞれの論を主張している」というのが正解でしょう。

その「皆」の中には、外国の工作機関と結びついたり、反社会勢力と結びついている人もいるでしょう。
それほど人間は「公共心」を持って生きてはいないものなので、監視と抑制が必要になるわけです。
(人事権も”国民”が掌握しなければ危険ですね。人事や給与を日本人が握れば、役人の目も日本という国に向くでしょうから)

著作権のことはわかりませんが、米国の知的財産権強化は、生産活動(工場オペレーション)で日本に対抗できなくなった米国の国家戦略そのものですね。(ヤングレポートやパルミザーノレポートというのがある)
あと、日本は開国時点から、ハリスに金為替レートで「してやられている」わけです。

こういった通商政策の失敗のおかげで、企業は酷い目にあっているので、陰謀かどうかはともかく、ちゃんと対外交渉に勝ってきて頂きたいものです。

webmaster Says:
6月 4th, 2007 at 3:59:37
>irさん
妥協点を探るという仕事柄見えることではありますが、双方から叩かれがちな立場からの愚痴でもあり、あまりえらそうなことはいえないわけですが(笑)。内政干渉だというならば、たとえばBSE関連でアメリカの国内基準をはるかに上回る検査等を押し付けていることへのアメリカの反発も、同様のものだと感じられることができるかどうか、国内の目線のみならず、想像力の問題であると思います。

>PKさん、ゲストさん
雪斎さんのコメントに尽きていますが、私なりに言えば、陰謀が存在することは否定しませんし、また、それが世の中を動かすこともゼロではないと認識していますが、あらゆることの背後に陰謀で動いているとのメカニズムを見出すことは、自らと異なる立場を拒絶する姿勢の表れに他ならないということになります。

>雪斎さん
>色々な勢力が何らかの「意図」を以って何らかの「結果」を得るべく暗躍するのは、当然のことでしょうけれども、その一つの「意図」が現実に招来された「結果」をもたらし得るという想定は、人間生活の現実からすれば、誠にナイ―ヴなものでしかない。
エントリにこの要素を盛り込むことができていたなら、ずいぶんと切れ味が違っていたなぁとしみじみ思います。的確な補足をいただき、どうもありがとうございました。

西麻布夢彦 Says:
6月 4th, 2007 at 8:02:34
陰謀が存在するということと、陰謀通りに結果が生じると言うことは別の話かと考えます。
もちろん、ユダヤ人が一枚岩であるはずもなく、プレーヤーは多彩でしょうけども。

というわけで、米国等が「陰謀」を持っているとしても、思惑通りににはならないでしょう。
しかし、「陰謀」はあるかもしれないし、その「陰謀」を察知することは、競争上重要かと思います。

※まさか、「陰謀論」というのは、陰謀通りに世界が動くという意味ではないでしょうし。


@@@@@ Says:
6月 4th, 2007 at 8:30:16
 陰謀論っていうのは、君がいうほど単純じゃないんだよ。
 なかには荒唐無稽でナンセンスなものもあるようだが、一方で、丹念な調査と分析を経た、合理的根拠に基づく、的を射た理論が存在するのも事実。

 上にも出ている例で言えば、例えばユダヤがらみの著作が、昔からこの国では多いが、敢えて著書名は出さぬが、70年代後半から80年代前半にかけて出版されたユダヤを告発するような内容の一連の著書の中で、バブルとその崩壊に至るからくりなど、その後の日本の国際社会における在り様を、ユダヤとの関連で見事に言い当てているものが幾つかある。
 これらは、出版された当時は、単なる陰謀論として、フィクションの類として片付けられていただろうが、いま読み返してみると決して笑えないものがある。

 それらを、「陰謀」と呼ぶかどうかは別として、国際政治の舞台で、ある勢力が、ある特定の意図をもって、その利益の追求を企図して活動するのはむしろ当然のことで、そういう動きに「想像力」をもって対処する態度こそ国益に適うのであって、むしろ日本にはそのような老獪さが欠如しているとさえいえる。
 
 異文化、他民族の民も、自国民同様、善良で正直な人々に違いないという思い込みこそ想像力の欠如にはかならない。
 
 単純に言えば、日本からより多くの利益を得ようと、対日政策を練り日本に対峙する外国勢力の「故意」と、その政策を受容し、歩調を合わせることが国益に適うと判断するある種の国内勢力の「過失」の複合形態が、しばしば日本の国益を損なう結果をもたらしているといえよう。

 ここに、外国勢力の「故意」は即ち陰謀とほぼ同義と見て差し支えないであろうし、他方、想像力の欠如は、この、「ある種の国内勢力」の「過失」に対して指摘されるべきであろう。

 そして、この相関関係を看破し「陰謀論」と銘打ち非難する一部の観衆は、あながち見当違いをしているわけではあるまい。敢えていうなら、想像力が豊かすぎて、幾分勇み足の「創造」に転化してしまっている点に、落ち度は認められようが。


鍋象 Says:
6月 4th, 2007 at 9:54:37
>>西麻布さん
>※まさか、「陰謀論」というのは、陰謀通りに世界が動くという意味ではないでしょうし。

おっしゃるとおりなんですが、世の陰謀論は「起きてしまった事柄の結果的説明」がほとんどでありまして、陰謀論どおりに世界が動いているというところを過度に強調する方が多数派だと思います。

ブーメランという単語が存在するように、相手を貶めようとする故意は、情報統制が厳しく行われている国ではまだしも、普通の国際社会ではうまくいかないどころか、自らに返ってくるものだと思います。

そもそも論として、経済的な陰謀論を語る人はマクロが見えていないので、その理解からして甚だ怪しいw

ゲスト Says:
6月 4th, 2007 at 10:58:15
別に誰も「陰謀だ」と叫んでるわけでなく、「ああアメリカの要望におとなしく従っているわけね」という事実について疑問や批判を呈しているわけで、そのことに陰謀論というレッテルを貼るわけですね。
まあ、アメリカの要望を日本の法律に移し替えるのが仕事の官僚としては、その事実はあまり知られたくないのでしょうし、知られてしまった場合は「陰謀論」というレッテルを張って、少しでもごまかそうということですか。まあ「売国奴」と批判されるのは誰でも嫌ですよね、たとえそれが事実でも(笑)


げすと Says:
6月 4th, 2007 at 13:18:14
「風が吹いたら桶屋が儲かった」事実に対して、対応や研究にリソースを割けますかって。
「陰謀論ドクトリンに従えば、オレ程度の素人でももっと効率的な陰謀を立案できるが、なぜ実行されないの?」
という素朴な疑問に満足な回答をしてくれる陰謀論者に、お目にかかったことがない。

>アメリカの要望を日本の法律に移し替えるのが仕事
なんて非効率な方法をとらず、米帝の利益を増す方法を考え付けない日本の官僚に要望書を授けるべきでは?
ああ!! わかった。
我が国の官僚・政治家は米帝の強大な圧力をいなして最小化するエキスパートなわけだ。

>アメリカの要望を日本の法律に移し替えるのが仕事
をサボタージュすることによって我が国を守る真の愛国者である、と顕彰したかったわけですね?

ゲスト Says:
6月 4th, 2007 at 15:25:18
>アメリカの要望を日本の法律に移し替えるのが仕事
をサボタージュすることによって我が国を守る真の愛国者である、と顕彰したかったわけですね?

その通りですよ。ですからこのような法案は出来る限り時間をかけていい加減に作って頂いて、結局廃案にしむけるというのが、愛国的官僚の仕事でしょう。
もちろんそのようなことになっても国民からは非難などおこりません。そもそも国民の間から要望された法律などではないからです。非難があるとすればアメリカ政府からか、この問題に利権をもっている一部の悪徳団体だけでしょう(笑)

鍋象 Says:
6月 5th, 2007 at 1:15:58
>>あいうえおさん
経団連は全て表ルートでやってますよ。法律で認められた政治献金を使ってますし、政策も選挙を通じて信任を得ていますので。文句を言うのなら、選挙民と被選挙人でしょう。とはいえ、そういう選挙民を説得する際には、「陰謀論」みたいなのが有効だったりするのが、世の中の現実ではあるのですが。

さて、僕は陰謀論の定義というのが良くわからないのですよ。僕なりに「後付けで起きた出来事を捕まえて陰謀があったと主張する行為」だと決めています。この時点でずれていると多分いくら陰謀論を正当化しようという人がいても、一生平行線にしかならないでしょう。

で、陰謀論はあるという人への僕なりの疑問点

1.交渉のプレイヤーは全て利己的に行動するものでしょ?
全ての人と人の行動のすり合わせは、交渉に還元されます。そこでは全ての当事者はそれぞれ自己の利益の最大化を図っています。これが利己的なプレイヤーの仮定。こうやって交渉を分析すると、後付けではなく意図として利己的なプレイヤーがいるのは当たり前だということがわかるかなと思います。というわけで、意図を持っていることを陰謀というのであれば、うまくいかなかった現実を抱えているあなた自身も陰謀をめぐらせていたという事になります。

2.相手も一枚岩ではない
陰謀論の対象というとアメリカ、ユダヤ、ソ連はみたいな集団の意思を想定していますよね。でも、大抵の場合、そういう集団の中の人の意見はそもそも一枚岩ではない。それは日本に自民党の人がいて民主党の人がいて、共産党の人がいるようなものなわけです。彼らの中でも、色々な駆け引きが行われて、もしかしたらそれぞれの立場からは部分的に意図せざる結果が得られているのかも知れません。

3.後付解釈の問題
ある問題がおきてから、後から「こういう指摘をしていた本がある」というのは、そういう本を10冊くらい用意しておけば何とでもいえます。また、相手の意図を示した本があって、それが現実化したとしても、それは交渉過程の結果でありたまたまの偶然です。こちらもこちらの意図があり、交渉の当事者がいて、逆の結論にしようと「陰謀」のようなものをめぐらせて努力をしているわけです。

4.代理人の問題
たとえば、日本人として自分の意見の代理人として外交交渉などに立っている人がいるわけですが、そもそも自分の意見というのは1億2000万分の1の素人の意見なわけです。
また、ここからが厄介なところなのですが、代理人には代理人としての未来予測があって、素人の発想だといずれ袋小路にはまるという考えをして却下するケースもあります。結果があえば、途中はどうでも良いという考えですね。
極私的な集団での代理人の場合、直接意見を言うことが可能ですが、その場合でも代理人のインセンティブをうまく自分の意図と合致させる工夫が必要です。それをしなければ代理人が機能すると思うべきではありません。

というわけで、色々考えると、そもそも自分たちも同じ土俵に乗っていてうまくいかなかった事の責を自分たちではなく相手に負わせようとしているのが、陰謀論の本質なのではないかと。すなわち陰謀論というのはただの「敗北主義」だと思ってしまうわけです。

webmaster Says:
6月 5th, 2007 at 6:46:00
>西麻布夢彦さん
世に言う陰謀論とは、きちんとした証拠もなく、世の事象を陰謀の結果であると認識することでしょう。

ゲスト Says:
6月 5th, 2007 at 9:41:15
>当初は廃止・縮小しろといっていたものが、民営化となってしまったので~どんどん後退を重ねた上に最後は無視されているわけですが、どこがどのように要望にしたがっているのでしょうか?

http://www.daimon-mikishi.jp/ronbun/data/roudou0602.htm
リンク先にはこうありますね
>郵貯が民営化されるということは、日本の公的貯蓄部門がなくなることを意味する。
>簡易保険の民営化は、国民の生命の最低保障としての公的保険がなくなるということである。

十分アメリカの要望に答えているようですがなにか(笑)

鍋象 Says:
6月 6th, 2007 at 12:44:08
>>bewaadさん
ありがとうございます。個別の外交交渉だと確かにやっているという事ですね。

多分、僕が気になっているのは、アングロサクソン系の「卑怯者呼ばわりしてルールを変えるキャンペーン」とか、特定アジアの「過去の経緯で黙らせる」みたいなところの巧拙なのかな。
特にルールを変えるキャンペーンの真似事は、京都議定書で音頭をとってみたもののかえって自爆しつつあるような。

上手く言えないのですが、戦術レベルではしっかりやっているけど、戦略級の構想がないという事なのかなぁ。

以上、陰謀論の一般的理解が見て取れて興味深い。総論は簡単だ。要素還元主義の観点からいえば、陰謀論は端的に批判可能である。しかし、現実の政治経済は、複雑系なので影響度を割り引いて考えて行くアプローチの方が多分正しい。ブログ主は、マックス・ウェーバーをもちだし、価値中立性を重んじるあたり、学校教育の限界を露呈しているというか、陰謀論に足を踏み出す前の自分を見ているようである。先にも言ったが、問題は各論。確かにマクロは弱いが、陰謀論の存在意義はミクロにあって、具体的な事実の重みに語らせると反論できない強さがある。要は、政治だけを見ていたらあかんのであって、経済に気を配らない歴史はダメであると痛感。政治経済はセットだ。なお、経済と経済学は別物である。若い人の中にはわからないのもいるので断っておく。


2008年8月16日 根賀源三


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